Interview

サービス管理責任者・水落智子さんインタビュー

自然に癒やされる時間、人とつながる支援、 そして地域のなかで共に暮らしていく未来について伺いました。

サービス管理責任者

自然と繋がり、人と繋がる場所へ

もともと障害福祉サービスの現場で支援に携わってきた水落さん。 結の芽では、自然の中で過ごす時間と、人や地域とのつながりが、 利用者さんのこれからを考える力につながっていけばと話します。

取材・構成・文責:Web制作会社「2bee」

「自然に囲まれて自然に向き合う中で、無意識のうちに自然に挨拶が交わせるような関係が築けたら」

── なぜ「結の芽」に参加しようと思ったのでしょうか?

水落 「元々障害福祉サービスの仕事に就いていたんですが、自分がもっと興味を持てるやり方で支援できるところはないかなと考えていたんです。 その時に、古民家を使って農業を取り入れたB型事業所を作るというお話を聞きました。 自宅からは少し離れていたんですが、通勤時間はこれまでとあまり変わらなかったので検討してみようと。」

── 農業の経験があったわけではないのですか?

水落 「ないんです。ただ、コロナ禍で在宅勤務の日が増えた時期がありまして。 私は田舎に住んでいるんですが、普段働いている時は平日の昼間は家にいないし、 休みの日も用事や家事があって、周りの自然を見る余裕があまりなかったんです。 それが、自然が目に入るようになって。小さい頃は自然の中で長い時間遊んでいたので、 その頃を懐かしく思い出して、ちょっと土をいじってみよう、ミニトマトだけでも作ってみようと思って始めたら、なんとかできたんですね。 お弁当に入れたりする楽しみもできました。」

── 家庭菜園の体験が、今につながっているのですね。

水落 「小さくですけどね。実は普通の大きなトマトも作っていたんですが、 赤くなってきたと思ったらカラスなどの鳥に食べられてしまって、収穫できなかったんです。 でもなぜかミニトマトは攻撃されずに収穫できたんですよね。 そうやって体験しながら『この現象は何だろう?』と考えるのが面白くて。土との触れ合いを楽しんでいたんです。」

── 結の芽では、どんな時間を利用者さんに感じてもらいたいですか?

水落 「農業に関わることで、土のことなどもっと学べるかなと思ったのと、 自然の中で作業するのは暑かったり寒かったり、水やりの加減が難しかったりしんどいところもあるんですが、 やっぱり癒やされるんですよね。時間もゆったりしているし、季節の草花も目に入ってくる。 『改めて自然っていいな』と思ったんです。」

水落 「だから、利用者さんの中にもそういうことに興味を持てる人がいたら、 この場所での作業を通じて癒やしに繋がったり、自分のこれからを考えるいい時間になればいいなと思っています。」

── 就労継続支援B型(障害のある方が雇用契約を結ばず、自分のペースで作業や活動に参加できる福祉サービス)として、どのような支援を目指したいですか?

水落 「生活支援や就労支援といった居場所としての要素も大きいと思うんですが、 利用者さんによっては『就職に向けて動きたい』と思う方もいらっしゃると思います。 その時には、それに合わせたお手伝いもできるといいなと思っています。」

水落 「以前、生活支援センターで就職の支援をしていて、一般企業さんに障害者枠などで就職が決まった時、 ご本人も喜んで、就職先の方も喜んで、みんながハッピーになる経験をしました。 支援はチームでするものだと思っていて、事業所や受け入れ先の企業さん、相談員さん、医療関係、学校の先生、ご家族など、 みんなで悩んで、上手くいった時には一緒に喜ぶ。 そういうチーム支援ってすごくいいものだなと思った経験があるので、ここでもそれができればいいなと思っています。」

── 農業の経験は、他の仕事にもつながると思いますか?

水落 「そうですね。農業は計算されたものじゃないからこそ、一緒にチームワークで作り上げていく大事な作業だと思います。 直接農業をするというだけでなく、そこで経験した人との関わりや地域との関わり、 自分の体験した気持ちなどが、農業以外の職種に就くことになっても活かせるような気がします。 就職だけが目的ではないですが、目指したい人にはそこまでサポートしたいですね。」

── 社会や地域との関わりについては、どんな未来を思い描いていますか?

水落 「地域の方にここがどういう場所かを認識してもらって、育てた野菜を分けたり販売したりして色々な面で繋がっていく中で、 『障害者』と固く考えずに、知らないうちに共生して繋がっていけたらいいなと思います。」

水落 「最初は『ここは何なんだろう』と少し引いた見方をされるかもしれませんが、 相談させてもらったり、農業のことを教えてもらったりと接点を持つ中で、理解していってもらえたらと。 『この地域のひとつの自然』として、関係者の方に『あそこを利用したらいいんじゃないか』と思ってもらえるような、 福祉関係の資源のひとつとして認識してもらえる存在になれば嬉しいです。」

水落 「説明会の時には、不安に思っている住民の方から厳しい質問も出ましたが、 ちゃんと声に出していただけたのはありがたいと思っています。 無責任なことは言えませんが、徐々に理解して認めてもらえるように進めていければと思っています。」

── 5年後、結の芽がどうなっていたらいいと思いますか?

水落 「利用者さんが定着して来てくださる方が何人かいて、活動や作業の内容もある程度回っている状態になっていたいですね。」

水落 「ここに来ることで生活リズムを整えて、癒やしの時間を持ちながら焦らずゆっくり自分のことを考える。 その中で『もう少しのんびりしよう』とか『興味のあったことを勉強し直そう』とか、 動き出そうと思える状態になってもらえたらいいなと思います。」

水落 「ここで安心した状態で社会との接点を持てればいいなと。 いきなり『コミュニケーションを取ろう』『挨拶しなきゃ』ではなくて、 自然に囲まれて自然に向き合う中で、無意識のうちに自然に挨拶が交わせるような関係が築けたらいいなと願っています 。」

水落さんのインタビューから伝わってきたこと

  • 自然に触れる時間が、癒やしや自己理解につながると考えていること
  • 就職も含めて、一人ひとりに合わせたチーム支援を大切にしていること
  • 地域の中で自然に共生できる関係を少しずつ育てていきたいこと

インタビュアーの感想

就労継続支援B型利用者として

水落さんのお話からは、自然に触れながら焦らず自分のことを考えられる時間そのものが、 利用者にとって大きな価値になることがよく伝わってきました。 生活リズムを整えたり、人との関わりに少しずつ慣れたりしながら、 次の一歩を自分のタイミングで考えられる点は、利用者にとって大きなメリットだと感じました。

就労継続支援B型スタッフとして

スタッフとして参加する意義は、支援を一人で抱えるのではなく、 地域や関係機関、ご家族も含めたチームで伴走していける点にあるように強く思いました。 また、利用者さんの変化を一緒に喜びながら、自然や地域とのつながりも含めて支援できることは、 この仕事ならではのやりがいにつながるのでは、と感じました。

自然の中で過ごす時間を、まずは見学で体感してみてください。

結の芽で大切にしている支援のことや、日々の過ごし方、地域との関わりについても丁寧にお伝えしています。

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