責任者
「来てよかったな」と思える居場所をつくりたい
結の芽の立ち上げには、 食の安全への疑問と、 社会のなかで生きづらさを抱えた方が少し休める場所をつくりたい という想いがありました。 責任者の松澤さんに、その背景とこれから目指す場所の姿を聞きました。
取材・構成・文責:Web制作会社「2bee」
松澤 「体に良いものを作って、1人の方でも元気に、救えるようにさせていただきたい」
── なぜ「結の芽」を作ろうと思ったのでしょうか?
松澤 「そうですね、まず、なぜこれだけ食品添加物を入れたものを食べなければいけないのか、という疑問がありました。 あの、私の力はちっちゃいものかもしれないんですけれど、体に良いものを作れるならば作って提供させていただいて、 1人の方でも元気に、救えるようにさせていただきたいなと思い作りました。」
── なぜ「農業」だったのでしょうか?
松澤 「そうですね、やっぱり、人間って食べることが基本ですからね。あの、それが一番シンプルな答えだなと思って。」
── 自然農法を取り入れようと思った理由も教えてください。
松澤 「あの、昔の人はこれだけ農薬がなかったのに野菜ができていたのに、 じゃあ別に農薬がなくても作れるのになんでこんなに農薬がなくちゃ野菜ができないのか、と疑問に思って調べていたんです。 そうしたら、 自然農法という、農薬や肥料なしでも十分に育つ方法があるのが分かって、 せっかくなんで私でもできるならばやりたい という気持ちで始めようと思いました。」
── 食の安全を大切にする背景には、過去の経験も関係していますか?
松澤 「そうですね、あの、昔、食品関係の仕事で『安全な食材で作ったお弁当です』と研修のビデオなどで見せられて、 それを信じて営業・提供していたことがあったんです。でも実際は会社が大きくて国産だけでは賄えず、 中国産の野菜を入れていたんですね。中には本当にそれに反応されるお客様がいらっしゃって。 まあ、人を騙そうと思えば騙すことはできてしまう社会ですが、 本当に気づく方もいらっしゃるので、しっかりしたものを提供したいという思いがあります。」
── なぜ障害者支援なのか
松澤 「えー、社会の中で生きづらくなった方の居場所の1つとして、少しでも気持ちを休めていただけるよう、 その場所を提供したくて作らせていただきました。あの、障害者支援というのは成果や利益だけを基準にするのではなく、 その方が安心して過ごせることや、自分らしさを取り戻していけることも大切だと思っています。 そういった方に対する居場所の提供ができればと思っています。」
── 就労継続支援B型(障害のある方が雇用契約を結ばず、自分のペースで作業や活動に参加できる福祉サービス)として始まったばかりですが、気づかされたことはありますか?
松澤 「私たちが当たり前に生きて気づかなかったことにいっぱい気づかされましたね。 あの、例えば、利用者さんが転んで頭を打ったり怪我をしないかとか、本当に細かいことへの配慮です。」
── どんな方に来てほしいと考えていますか?
松澤 「あの、社会で働いて通勤して、その中で化学物質などに反応して体調を崩されて、 原因が分からず困っている方がたくさんいらっしゃると思うんです。 例えば隣の家が洗濯をしていて、その匂いで体調を崩されている方とか。 そういう方って、自分が悪いって勘違いして苦しんでいる方もいらっしゃると思うので、 そういう人たちにちょっと休んでいただける場になればと思います。」
── 利用者さんには、この場所でどんな時間を過ごしてほしいですか?
松澤 「あの、一緒に土をやって、一緒に農業を経験してもらいたいです。 あの、太陽の光を浴びて、綺麗な空気を吸って、土に触れて、自然の中で呼吸していただいて。 今はやっぱりスマホばかり見て呼吸が浅くなっている方も多いので、心の中も本当に深呼吸をしていただいて、 自分らしさを取り戻していっていただけたらなと思います。 スマホや電気の中から一時でも離れて、その時間を作っていただけたらなと。 1人の人に喜んでもらえるような場所作りができたら、それが本当に大切なことですね。」
── 最後に、これからの未来について聞かせてください。
松澤 「今までは、いい学校を出ていい会社に勤めてお給料をもらって幸せ、という時代だったと思うんですけど、 これからの時代は、あの、『自分が何がしたいか』に変わってくると思います。 医療の形も変わってくると思うので、最終的には、ここに来てもらった人が健康になって、 自分で農業をするとか、そういう風になっていただければ。」
松澤 「まあ、本当に、『あ、来てよかったな』と思えるような居場所作りをさせていただけたらなと思います。」
松澤さんのインタビューから伝わってきたこと
- 食の安全への疑問が、結の芽を立ち上げる原点になっていること
- 自然農法は、体にやさしいものを届けたいという実感のある選択であること
- 利益よりもまず、安心して休める居場所を提供したいと考えていること
インタビュアーの感想
就労継続支援B型利用者として
松澤さんのお話からは、結の芽が「働くこと」だけを急がせる場所ではなく、 まず安心して過ごしながら、自分の感覚や体調を整えていける場所でありたいという考えが強く伝わってきました。 さらに、利用者の立場から見ると、自然の中で土に触れながら過ごせることや、 急かされずに自分のペースで参加できることが、大きな安心につながるのではないか、と感じました。
就労継続支援B型スタッフとして
スタッフとして関わる意義は、作業を教えることだけではなく、 一人ひとりが「ここに来てよかった」と思える居場所を一緒につくっていく点にあると感じました。 また、目の前の成果だけでは測れない変化や安心感を支えることは、 障害者支援に関わる仕事ならではの大切な役割だである、ということも再認識しました。